鉄道会社の先駆者 阪急電鉄

鉄道会社の先駆者 阪急電鉄

 

今や鉄道会社と言えば、不動産事業や中心となるターミナル付近での街作りなど、ただ電車を走らせているだけの会社ではなくなっていますが、その経営形態の先駆けとなったのが大阪、京都、神戸、宝塚の間で列車を運行している阪急電鉄なのです。

 

阪急電鉄の創始者小林一三は、沿線郊外の宅地開発、駅前ターミナルデパートの営業、歌劇団や野球場といった娯楽施設の開設など、現在の私鉄経営の形を作り上げた人物であり、彼の行った方法を東急の五島慶太も西部の堤康次郎も見習う形で、それぞれの鉄道会社の繁栄につなげていったのです。

 

小林一三は自然の豊かな環境の中で、芸術を楽しみながら、健康的に暮らすことが大衆の理想の生活であると考え、郊外に宅地を開発して、電車に乗って都心部へ通勤するというライフスタイルを提案し、大衆文化を根付かせるために、少女歌劇団である宝塚唱歌隊(現在の宝塚歌劇団)を設立し、電車の客の利便性も考えて駅前にターミナルデパートを開業させるなど、まさに現代日本人のライフスタイルを作り上げた人物であると言っても過言ではないでしょう。

 

阪神電鉄との経営統合が記憶に新しいところですが、それまで阪神間はJR、阪急、阪神が並行して走っており、乗客の奪い合いが激しい路線でした。

 

そのため、いかに列車運行をスムーズに行うかという点から、阪急電鉄では梅田−十三の間で三複線(線路が6本あること)化をされています。

 

これは全国的にも珍しく、梅田駅から3本の小豆色の列車が並行して出発していくのは壮観な眺めといえるでしょう。

 

伝統の小豆色の車両の走る沿線で阪急電鉄が仕掛ける次の一手が、また日本全体のライフスタイルに影響を与える日が来るのかもしれません。